【神様にお願い 2☆ 3】


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ニセモノ&イロモノ多発ですが、大目に見てやって下さいませ〜(爆)リンク切れ修正致しました〜!ご不便お掛けしましたorz(5/23 am9:20)
神様にお願い2☆ 3  
3.




「…はあ……」
何だか溜め息が漏れる。
ぼんやりする頭と、重たい体で、ロージーは通学路を歩いていた。
体調が優れず、学校を早退しての帰り道である。

ボク…どうしちゃったんだろう……。
何か、悪い病気だったらどうしよう…。

そんなことを思えば一層気が滅入って…。
「はあぁ……」
また溜め息を付いた時、突然、ガサガサと近くの木の枝が揺れた。
「ふわわっ?!?!」
驚いて飛び上がりそうになりながら横を見れば、そこにいたのは一匹の小さな黒猫……。
ナー…と小さく声を上げ、木の上からロージーを見下ろしている。
「何だ…ビックリした……」
真っ直ぐに見つめるアーモンド型の瞳…。
「フフ…、キミ…目が青いんだね…?」
声をかければ、また小さく鳴いて…。
それはまるで返事をするように…。

この子…何か不思議だな…。
ボクに何か言いたいことがあるみたい…って…、お腹が空いてるのかな?

「ん〜…何かなかったかな…?」
ロージーはゴソゴソとカバンを漁った。
「…ありゃ、ごめんねぇ、アメしかナイや……」
紅茶のアメなんて、キミは食べられないよね…と申し訳なさそうに言うロージーに、ネコはまたナーッと鳴く。
「…お腹空いてるんだよね…?キミ、お家は近いの?それとも野良君だったりする?」
手を差し出せば、顔をすり寄せ、ペロリとその指を舐めて…。
ザリッとした独特の感触。
ネコはまた、ナーッと一声鳴いた。

人懐こい子だな…。
ボクを全然警戒してない…。
毛並みも綺麗だし、やっぱり近所の飼いネコなのかな…。

そう思えば何やら残念で、ションボリとしながら…。
「……ボク、そろそろ行くね?じゃあね…」
そう声をかけて手を引っ込め、ロージーは歩き出す。
すると、トスッと…背後で小さな物音がした。
続いて、足下にまとわりつく温かな気配。
「あれれ?どうしたの?」
ナァーゴとネコが高く鳴く。
下から見上げる青い瞳。
宝石みたいなその瞳を見つめていると、何やら不思議な気持ちになって…。

「……ボクと一緒に来る?」

気付けばそう言って、ロージーはネコを抱き上げていた。






どうしよう…。
どうしよう…!
どうしよう!!!
連れて来ちゃった!!!
誰かの飼いネコかもしれないのに…!

バタンと玄関のドアを閉め、ロージーはネコを下に降ろすと、深い溜息を付いた。
ドキドキと騒ぐ鼓動。
ものすごくいけないことをしたような気がして、今更ながら、返してきた方がいいだろうか…なんて思ってしまう。
だが、そんなロージーを余所に、ネコは初めて来たはずの家の中を我が物顔で歩き、ロージーの部屋へと入っていって…。
後を追えば、既にベッドの上で丸くなり、すっかりくつろいでいる様子。
「キミ、お家は何処なの?なんて……」
ベッドに顎を乗せ、キミの言葉が分かればいいのにね、なんて呟いたロージーをチラリと見てから、ネコは身を起こすと、寄ってきた。
スリ寄せられる頭。
ゴロゴロと喉の鳴る音が、耳元で聞こえる。

フフ、不思議な音…。
これって何が鳴るんだろ…?
何で鳴るんだろ…?
人間もお腹が鳴るとかあるけど…そーゆーのと一緒なのかな?

ぼんやりとそんなこと考えていればハッと思い出して、ロージーは寄りかかっていたベッドから、身を起こした。
「…って!そういえば…!お腹空いてるんだよね?待ってて、今何かあげるから!」
だが、立ち上がろうとした瞬間、その手をガシッと掴まれて…。


「…行くナ、腹は減ってねェ」


唐突に、人の声がした。
「…え……?」
振り返れば、そこにいたのは一人の子ども…。
黒髪に青い目の…、着物を着た……夢に出てきたままの、あの子どもがそこにいた。
「…………」
ぽかん、と。
ロージーの目が大きく見開かれて…。
口もあんぐりと大きく開かれて…。
ただ、目の前に突然現れた子どもを凝視することしか出来なくて……。

「…久しぶりダナ……つっても、オメェはオレのこと知らねェよな…」

ヒッヒと苦笑するその子どもの顔を見つめている内、何故かロージーの胸はぎゅうっと苦しくなってくる。
ふるるっと振られた頭。
金色の髪が、わさわさっと動いて…。
ポタポタと、周囲に涙が散った。
「…ってる…!」
掠れた声が喉から出る。
「あ?」
「ボク、知ってるよ…!」
「…何…だと…?」
驚きに丸くなる青い瞳。

ああ、もう…何でなのか分からない。

何で涙が出るのか。
何でこんなに胸が苦しいのか。
痛いと思う程鼓動が騒ぐのは、嬉しいからなのか、悲しいからなのか。

でも、とにかく分かった事……。


ボクはキミを知ってる。


「キミは…ムヒョ………!」

そう、ムヒョだ…!と、名を呼べば一層涙が溢れて…。
ロージーはただもう夢中で、ムヒョに抱きついた。




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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ネコって、驚くと腰抜かすんですよね。。。

いや、ロージーが飛び上がりそうな程驚いたってトコ書いてて、これだけ近くで人間がぎょっとしたら、きっとネコの方も驚いてるよなー…木の上で腰抜かしたら危ないよな〜…とか思って(笑)
ま。
ムヒョだったので、そんなことにはならないワケですが。


さて。
これで一気に終わり?と思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、まだ暫く終わらないです。
この話、ちょっといろんな人をワイワイ出そうかな〜と思ってるので。
今まで書いたことナイ人とかが出てくる予定です。

のんびりお付き合い頂けると嬉しいです〜☆
 2007/08/03(金)/16:00:34  No.63



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