【恋は嵐。 その6】


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ニセモノ&イロモノ多発ですが、大目に見てやって下さいませ〜(爆)リンク切れ修正致しました〜!ご不便お掛けしましたorz(5/23 am9:20)
恋は嵐。 その6  
6.



1日目はキスをして。
抱きしめて、泣かれた。


2日目は反省して。
手を繋いで、ちょっと待つことにした。


3日目も手を繋いで帰った。


4日目も手を繋いで。
ロージーの会話に馴れてきた。


5日目は一緒に帰れなかった。


6日目は手を繋いで帰って、部屋で話した。
就寝時間で戻る間際、キスをした。


今度は泣かれなかった。


「一歩前進…か…?」
真っ赤に染まった顔を俯かせ、パタパタと部屋に戻っていったロージーに、ムヒョは呟いた。
煩く騒ぐ鼓動。
触れた唇には熱が残っているようで…。
ヒッヒと上機嫌な笑みが漏れる。
と、そんな時…。
「うわ〜♪ムヒョちゃんったら、甘酸っぱ〜い♪」
「ね〜、後ろ姿見送っちゃったりとかするんだね〜!意外!」
何処からともなく聞こえるエンチューとヨイチの声。
見れば、前の部屋のドアが10センチ程も開いて、そこから二人の瞳が見えている。
問答無用でドアを蹴りつければ、中から聞こえる抗議の声。

「……オメェら…揃って暇なことしてんじゃねェヨ……」

再び開いたドアの中から、友人二人がニヤニヤ笑いながら自分を見上げている。
「暇だから面白そうなことは見逃せないんじゃない♪」
「ムヒョが真面目に恋愛って、相当すげーよなぁ♪」
「どーゆーイミだ…」
「どーゆーイミって…♪」
「そのまんまのイミだよな♪」
歯を向いて顔を顰めたムヒョに、エンチューとヨイチは顔を見合わせて笑い合った。
変なときばかり妙に気の合うこの二人に、まったくと溜め息を付きながら。
「らしくねーのは分かってンダ。ほっとけ」
そう言って、部屋に入ろうとすれば、
「ほっとけなんて、つれねーの♪ほっとけるワケねーだろ!なぁ、エンチュー?」
「そうだよねえ、ヨイチ☆ボク達お友達だものね♪いつだってちゃんと見守ってるからね♪」
「そうそう♪応援してるぜ〜♪」
「フラレないように頑張ってね、ムヒョ♪」
ヒラヒラと振られる手。
「クッ…、いつか覚えてロ…!」
完全に面白がっている二人には、ムヒョのそんな言葉すら、可笑しくて……。


そしてまた…。


7日目も、8日目も、9日目も…。

手を繋いで。
話をして。
キスをして。

少しずつ、距離を縮めて……。
少しずつ、気持ちを深めて……。


10日目も、11日目も……。


12日目と、13日目は、それぞれに用事があって一緒に帰れなかった。


そして、翌日の14日目……。


「…何ダ?」
じいい、じいいと…。
今日は何やら、事ある毎に見上げてくる茶色の瞳。
それを珍しいと思って、ムヒョは尋ねた。
いつもなら、煩いほどに見つめてしまうのはムヒョの方で…。
それでもなかなか視線が合わず、もどかしいような、それでいて気が楽なような…そんな複雑な気分でいたというのに…。
「…あ、ううん。何でも…」
短い問いかけにふるるっと首を振り、ロージーは顔を俯かせる。
俯く間際、カアッと赤く染まった頬を、ムヒョは見逃さなかった。

悪い反応じゃねェ…よな…。

そんなことを思いながら、ついついじいいっと見つめてしまう。
それを何ととったのか…。
「な、何でもないですってばぁ!」
ますます赤く染まった顔を上げ、ロージーが困ったようにそう言った。
「ヒッヒ♪ホントか?何でもねぇにしちゃ、顔赤ぇゾ?」
「い、意地悪ですよ、そんなの…!」
繋がった指先。
ぎゅっと握る力を強めれば、僅かにビクリと震えが走る。
「…ぁ…」
小さく声を上げた唇。
戸惑って、左右に彷徨う瞳。
赤く染まったままの頬。
「ちゃんと…部屋まで待つつもりだったんだゾ?」
ヒッヒと苦笑しながら…強く手を引いて…。
軽く、素早く。
掠めるようにキスをする。
「む、ムヒョ…っ、せんぱ…!」
まん丸に見開かれる瞳を、覗き込むように見つめ、ムヒョは満足そうに笑った。
「先輩はいらねェ」
「誰かに見られたらどうするんですか?!」
「安心しロ。誰もいねェ」
「でもでも!ムヒョ…は、有名人なんですから!もっと用心…」
「敬語もなしダ」
「……でもぉ…」
「口答えすんナ。またキスすんゾ?」
パッと押さえられる口元。
その様子が可笑しくて、つい吹き出せば、ロージーは顔を真っ赤にして…。
「もう!からかって!知らないっ!」
言うなり、ぷいっと顔を背けると、そのまま歩きだそうとする。
「からかってねぇ。本気ダゾ、オレは」
「ほ、本気もダメ!」
半歩先を歩きながら、ロージーはそれでも、繋いだままの手を無理に解こうとはしなかった。
それを嬉しく思って…。
少し歩幅を大きくし、隣に並ぶ。
チラリとムヒョを見る茶色の瞳。
それにヒッヒと笑ってみせながら、それきり後は何もしないで…。
寮の部屋まで…。

逃げるかと思ったロージーは、けれどもしっかりムヒョの後に付いてきた。

「…いいって事か?」

部屋に入るなり、直球でそう聞けば、顔を真っ赤に染めて、
「もう!ムヒョったらそんな事ばっかり!」
と、怒るロージー。
それでも…。
見上げる瞳に嫌悪はなく…、本気で怒っているわけでもなく…。
顔を寄せれば、そっと目を閉じたから…。
そのまま静かに唇を重ねる。
ちゅ、ちゅ、と…何度も…。
触れるだけのキスを繰り返して…。
柔らかな頬にも。
いい香りの髪にも。
抱きしめれば、華奢な身体は腕の中にスッポリと収まった。
早い鼓動はどちらの物なのか…。
「……ムヒョ…?」
真っ赤に染まった頬。
見上げる瞳には、戸惑いと不安の色が浮かんでいる。
「ロージー…」
額に口付けて…。
鼻先に口付けて…。
もう一度、唇を捕らえる。
柔らかで温かな唇。
角度を変えて重ねて…、舌を差し入れれば、ビクリと跳ねた肩。
「んんっ」
逃げる舌を追い掛けて、口内を舐める。
舌先が触れる度に感じる、甘いときめき。
ぴちゃ、くちゅと…濡れた音が耳について…。
「…ふ…ぁ……んっ…」
ふ…と、漏れる吐息の艶めかしさ。
ゾクゾクと身体の芯から這い昇る何らかの感覚。
長いキスから解放すれば、ロージーは小さく喘いで…。
「ぁ…、むひょ…ぉ…」
頬を濃いピンクに染め、潤んだ瞳が切なげに離れた唇を追う。
濡れた唇を指でなぞり、ムヒョは困ったように顔を顰めた。

いいと思うのだ。
自分的には。
ロージーの心の準備は、もう出来ているのではないかと…。
もういいのではないかと…思うのだが……。

もう一度…と唇を重ねれば、その深いキスに、吐息は一層熱を持つ。
「ン…ん、ふぁ…っ、ん…」
キスに夢中になっているロージーを、そっと押し倒して…。
支えていた方の手で、身体のラインをソロリと撫でてみた。
「あ…っ」
掌の下で、ビクリと身体が跳ねる。
シャツの上からでも分かる、二つの突起。
手を這わせれば、またビクビクと身体が震えた。
「むひょ…っ、ぁ、あ、んん…」
力無く押す手は、やがて縋り付くようにムヒョのシャツを握りしめて…。
「…ぁ…あ、は…」
もじもじと身体が動く。
既に張りつめたソコへムヒョがそっと手を置けば、ロージーはビクリと身を竦め、複雑な顔でムヒョを見上げた。
潤んだ瞳に浮かぶのは、困惑と、戸惑いと、恥じらいと…そして、僅かな期待……。
「…ダメか?」
聞けば、今にも泣き出しそうな顔でフルルと首を振り、きゅっと目を閉じる。
「いいのか?」
「……そ、そんなの…、いじわる…です…」
再度問えば、ムヒョのシャツをぎゅうっと引き寄せ、そこに顔を隠すようにしてロージーはそう言った。

ムヒョにしてみれば、意地悪をしているつもりは毛頭ない。
ただ、この間泣かれてしまったのが堪えているのだ。

「なら、もう聞かねぇゾ?」
「……うん…」
小さな頷き。
それにニッと笑って…。
ムヒョはもう一度ロージーに口付けた。
「…ロージー…」
名を囁けば、更にぎゅうっと…縋り付く指先に力がこもる。
「好きダ、オメェが…」
「…ムヒョ……ボクも…」
好きです、と小さな声が嬉しい言葉を紡ぐのを聞きながら…ムヒョはもどかしい思いでシャツのボタンを外していった。


+  続く  +  5を読む  +



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次回はえろろであります。

このシリーズではタジタジしたり、悶々したり、ドキドキしたりな六氷さんを書きたい!!!とか思ってるわけですが。
今週のような、あまりにもオトコマエな問答無用の主人公ムヒョを原作で見ちゃうと、「そー、ムヒョってこーなのよ〜!とにかく格好いいのよ〜!突き抜けてんのよ〜!問答無用なのよ〜!迷わないのよ〜!これじゃロジなんか迷わず身を捧げちゃうワヨー!」とか思って、続きを書く気が霧散します(笑)
原作で見れないキャラの一面を考えたりするのは、同人ならではの楽しみでありますが、あまりにも「これはねぇな」ってのはやっぱりダメだよね〜。
少し反省しつつ。
 2007/07/15(日)/16:09:50  No.59



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