【神様にお願い☆ 8】


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ニセモノ&イロモノ多発ですが、大目に見てやって下さいませ〜(爆)
神様にお願い☆ 8  
 
 
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朝なのか、昼なのか、それともまた夜だったりするのか……。

時間感覚の薄いその部屋で、眠りから覚めると、すぐ側にムヒョがいた。
何だか嬉しそうに自分を見つめている青い瞳…。
それに眠る前のことを思い出して…ロージーはかああっと頬を染める。
「お、おはよう、ございます…」
段々と消え入りそうな声で言えば、ああと短く頷いて、ムヒョは額に軽くキスを落とした。
「め、珍しいね、今日は出かけないの?」
「ああ。今日は別に用もねェしな」
「そうなんだ…」

もじもじ。
もじもじ。

「どした?」
何故か落ち着かない様子でいるのを不思議に思って尋ねれば、
「えっ、あ、ううん…何でも…!」
ロージーは慌てたように首を振った。
「腹が減ったか?」
「ううん、そうじゃなくて…」
「じゃあ、何ダ?腹がイテェのか?」
「や…、腹は減りも痛くもなくてね…その……ほら、裸…だから……」
言いながら、かああっとどんどん赤く染まって行く頬。

既に三度。

既に三度も肌を重ねて、隅々までを晒しているというのに、それでもまだ、恥ずかしいらしい。
ロージーの言葉と態度に、ムヒョは一瞬だけきょとんとした顔になったが、スグにヒッヒと笑った。
それはそれは楽しそうな、愉しそうな笑顔。
「あ〜、確かに何も着けてねぇナ♪」
「ひゃぁあっ?!」
すいっと腰から脇腹を撫で上げられ、ロージーが大きく身を竦める。
高く上がった素っ頓狂とすら言える声…。
色気なんて欠片もないような声だというのに、何故かそれはムヒョをゾクリとさせて…。

このまま布団の中に潜って、心ゆくまで撫で回すってのも楽しそうだナ。

ちょっと真剣にそんなことを思う。
掌の下の温かで柔らかな感触。
いつまでも触っていたい気持ちにさせられる。
「む、ムヒョ…」
困ったような、少し焦っているような声と表情。
それにまた、ヒッヒと笑って…。

ま。人間は弱ェからナ…。

「…腹が減ったナ…メシにするか」
ムヒョはそう言うと、スルリとベッドから降りた。
「!」
裸のままスタスタと歩いて行く後ろ姿に、ロージーの方が慌ててしまう。
とは言っても、その後ろ姿はどう見てもただの子供…。
別に照れるようなものではナイのだが…。
「…うう…」
小さく呻いたロージーの横、クスリと小さな笑い声が聞こえ、同時に柔らかな明かりが灯った。
「おはようございます、ロージー様」
そして聞こえる白妙の声…。
一体いつからそこにいたのか…と、少しだけギクリとする。
「お、おはようございます、白妙さん」
「今朝は湯浴みになさいますか?お食事になさいますか?」
「あ…、ムヒョがお腹空いたって言ってたので、ボクもご飯にします」
「では、すぐにお着替えを」
すうっと遠のく白妙の気配。
改めて、自分が何も着ていないことに赤くなりながら…。
そういえばと、ふと思う。

朝食一緒に食べるのって初めてだ…。

ここへ来てからずっと、昼や夜はムヒョと一緒に食べている。
今日は朝も一緒なのだ。
「…ふふ♪」
「どうかされましたか?」
小さく笑ってしまうと、白妙が不思議そうに聞いてきた。
「ううん、ちょっとね…」

ちょっと、嬉しいなって…思っただけ。

御殿にいた頃は、いつも一人だった。
世話をしてくれる者は常に側にいたが、共に食事をしたりはしない。
同じ空間に、同じ立場でいてくれた人などいなかったのだ。

でも、ここではムヒョが一緒にいてくれる……。

そう思うと、何やらほんわり、胸の中が温かくなる気がする。
不思議だなと、ロージーは思った。
昨日までとは明らかに違う。
何かが変わったような気がするのだ。
自分とムヒョとの間で…何かが変わった。
ただ、それが何かは分からないけれど…。






「オイ、オメェ…何かしてェことはあるか?」

「…え?」
食事が終わる頃、唐突に駆けられたその言葉。
きょとんとしたロージーに、ムヒョはもう一度尋ねる。
「何かしてェと思うことはあるかって聞いてんだヨ」
「…したい…事…?」
明らかに戸惑っている事が分かる、頼りなげな声。
「だから…、たとえば…外に出たい、とか…ナ」
困惑しているロージーに、ムヒョはやや口ごもりながらそう言った。
それを口に出すのは、思う以上に勇気のいることだったようだ。

もし、ロージーが外に出ることに喜びを示したら…自分は冷静でいられるだろうか…?

『御殿を見に行きたい』と…、そんなことを言われたら…?
『帝の姿を見たい』と…。
『帝に会いたい』と……言われたら……。

言わなきゃ良かったと、後悔しながら返答を待っていれば…。
「ええと…?外…って……お庭?ここにお庭があるの?」
ロージーは、全く分からない様子で小首を傾げた。
は…と、小さく息が漏れる。
安堵したような、呆れたような…どちらとも付かぬ溜息。
「いや…、そりゃ、庭もあるけどナ…」

あ、あれ?
ボク、何か変なこと言っちゃったのかな…?

ムヒョに苦笑され、ロージーはオロオロしてしまう。
どうやら、自分の答えは随分と的はずれだったようだ。
「後で庭に案内してやるか?」
「…ううん、いい…です…」
ムヒョの期待する答えって何だったんだろう?と何だかしょんぼりして、ロージーは首を振る。

御殿にいた頃…、ロージーは自分の部屋と、その前の庭だけが『世界』で…。

その庭にすら、ほとんど出たことはなかったのだ。
御簾を上げ、花を、草木を、雪を、月を…眺めるだけ…。
だから、外に出て何かをするなんて…思いも寄らなくて…。

ムヒョの言う『外』が、何処を指すのかが、よく分からない。

「…あ!もしかして、昨日みたいに空を飛ぶ、とか?」
外、外…と考え、そういえば!と浮かんだのは、夕べ、龍の姿になったムヒョが空の上から見せてくれた世界…。
そう、あれこそまさしく『外』であろうと…。
思いついたことが嬉しくて、ロージーは表情を明るくしてそう言った。
「…ん?ああ、それでもいいけどナ」
空か…と、ロージーの言葉を少し意外に思いながら、ムヒョは頷く。
成る程、なまじこの付近に連れ出すより、いいかもしれない。
池の側には詮索好きの鬼達が、ムヒョがロージーを伴って出てくるのを、今か今かと待ちかねているに違いないのだから…。
「空の上、そんな気に入ったのカ?」
笑いながら尋ねるムヒョに、今度の答えは当たりだったようだと思ったロージーは、ニコニコ笑って頷いた。
「うん♪だって、すごかったもん!」
「ふーん。じゃ、まあ…そうすっか♪」
「ホント?嬉しい!」
パンッと両手を叩いて喜ぶロージー。
空を飛べる事も嬉しい。
だが、ヒッヒ♪と笑ったムヒョが嬉しそうに見える事が、もっとずっと嬉しい、と……。
それをただ漠然と感じて…。
「なら、行くゾ」
差し伸べられた手をぎゅっと握り、ロージーは元気に「ウン!」と頷いた。



+   続く  +   7を読む   +




+  +  +  +  +  +  +

さあ!ちょっとラブくなってきたでしょうか?!?!
龍神話は、龍神ムヒョがロージーに対してドキドキしたり、帝にヤキモチ灼いたりするのを書くのが楽しいのですが。
同じくらい、汚れなく育ったロージーを書くのが楽しかったりします♪
狭い世界で、殆ど人とも接することなく、純粋培養で育ったロジ…!
うーん、イメージにゾクゾクだ〜♪とか(笑)

さて、今日久々に1から読み返してみたのですが、こうしてのんびり少しずつ書いてるモノは、続けて読むとダメですねー。。。
矛盾でボロボロでありますよ…ふふふ……(爆)
いや、ふふふじゃないよ…って感じもしますが…(爆死)

冬コミ、ムヒョは落選してるので、少しのんびりモードの昨今です。
(のんびりし過ぎて、マンガ読んだりゲームやったりしてるんだけど……。。。)
また近い内に、これかプランツかの続きを更新したいと思ってますので、よろしければ読んでやって下さいませ★
 2006/11/12(日)/01:22:21  No.38



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