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「すごくすごく…、すごかったね!」
部屋に戻った後も、興奮冷めやらぬ様子でそう言うロージー。 「…気に入ったのか?」 ニコニコと輝かんばかりの笑顔を見つめて尋ねれば、 「ウン!」 ロージーは大きく頷いた。 「そうか。なら、また連れてってやる」 「ホント?」 お易いご用だと胸を張り、ムヒョはヒッヒと笑う。 「ありがとう、ムヒョ!ボク、すごく嬉しい!」 「…おう…」 笑顔が眩しいとか、周囲に花が舞って見えるとか、ホントにあるんだナ等と…思わずそんな感心をしてしまうムヒョ。
そういや……優しくしてやれとか…言ってたナ。
何となく、ヨイチ達の言葉を思い出した。 好きなのだったら、優しくしてやれと…。 人の言う通りにするなんて、この上なく癪に障ることだが、それでも…ロージーを好きだと思うし、大切にしたいと思うから……。
1.怒らない 2.焦らない 3.微笑みを忘れない 4.声や言葉は優しく 5.瞳を見つめる時は真剣に
ヨイチとエンチューが、ご丁寧にも交互に一つ一つ指で示しながら言っていたことを頭の中で復唱して…。 ムヒョはロージーをじいいっと見つめる。
怒らねェ、焦らねェは、まぁいいとして……。 微笑みを忘れねーっつーのが…クセもんだナ…。 ヘラヘラ笑ってばっかいたら、アホみてーじゃねェか…。 しかも、声や言葉は優しく……。
「…ええと…、あの、なぁに?」 間近で見つめられているのが落ち着かないのだろう。 ロージーがややモジモジとして尋ねた。 それに勢い良くプルルッと首を振って…。 「…いや、別に何でもねェ…」 ムヒョはボソリとそう言い、視線を逸らした。
『睫毛、長いね』とか『肌、綺麗だね』とか『目の中…オレが映ってる…』とか…だったか…? アイツらマジでこーゆー時にそんなこと言ってんのか? とてもシラフじゃ言えねぇゾ…。
否、酒が入ったところで、到底言えそうにもない。 ヨイチとエンチューがこれまたご丁寧にも教えてくれた、こんな時に言うといい(らしい)セリフを思い出し、思わずかああと頬が熱くなる。 何だか身体が痒くなるような、そんな気持ちで…歯が浮くセリフというのはきっとこーいうのだナと、ムヒョは内心溜息をついた。 「…………」 「………?」 室内に満ちる、何やら奇妙な空気…。 触れそうなほど近い距離にありながら、触れることはせずに、僅かな隙間を残してベッドに腰掛け、時折…チラリと盗み見る。
つーか、最初の最初にヤッちまったりしたのは…ひょっとして…マズかったのか…? いや、だがアレは…願いを叶える代価って事になってて、ロージーだってそれで納得してるし……。
そこでムヒョはハッとした。 そう…願いを叶える代価にと身体を望んだのだ。 ならば、この後は…一体どんな理由を付ければよいのだろうか。 「………!!!」 「ムヒョ…?」 「…ロージー…、オメェ…」 「え?なぁに?」 きょとんとする茶色の瞳。 優しい色のその瞳を見つめながら…ムヒョは何と言っていいのか分からなくて…。
「……オレのモン…だよな?」
何だか間の抜けた質問をしてしまった。 かああああっと。 言った直後に、言った本人の顔が真っ赤に染まる。 一方、ロージーはそんなムヒョにやや面食らった様子で…。 「うん…、ムヒョ、最初にそう言ってたよ?」 ぱちくりと瞬きをしながら、そう答えた。 「そ、そうか…」 「まあ、でも…それがどういう意味かって…実はあんまりよく分かってないんだけどね…」 エヘヘと笑うロージー。 ペロッと小さく舌を出したりしているところが、また堪らなく可愛らしい。
こーゆー、一瞬一瞬の顔とか…何かに残しておけりゃいーのにナ…。
なんて、思わずそんなことを思いながら…。 「ねえ、ムヒョ?ボクがここにいることで、何かいい事ってあるの?」 「ある」 間髪を入れずキッパリハッキリ頷けば、ロージーは一瞬驚いたような顔をし…それからスグに嬉しそうな笑みを浮かべる。 「本当?たとえばどんな?」 キラキラした瞳。 嬉しそうに顔を覗き込まれ、その様子のあまりにもな可愛らしさに、ムヒョは何処か頭の後ろの方で、ブッツリと何かの切れる音を聞いた気がした。 それは、そう…きっと『理性』とか名の付くモノ…(爆)
「あ?たとえば……コレとかな」
グイと近い顔を引き寄せ口付ける。 「ん…っ、ンム…」 突然のキスに、最初は驚きを見せたロージーだったが、それも少しのこと…。 スグに目を閉じ、大人しくムヒョのキスを受け入れた。 「…コレ……いいの…?」 「オメェはイヤか?」 いいとは言わず、逆にそう尋ねれば…ロージーは僅かに視線を逸らし、首を振る。 「イヤじゃないよ…」 小さな答え。 恥ずかしそうに、顔を赤らめて…。
本当に。
何故こんなにも、この人間は自分の心をかき乱してくれるのか…。
欲望に血が騒ぐ。 目眩がしそうな程、今すぐ、ロージーをどうにかしたい。
焦るナ、だと? クソ食らえダ、んなモン。
友人達の親切な(?)忠告を、何処か遠くに投げやって…。 「じゃ、いいナ…」 ムヒョはヒッヒと笑った。
じゃ、いいナ…と、言われてすぐに…。 柔らかく身体は押し倒されて…。 ちゅっと降る、軽い口付け。 額に、瞼に…と、落とされて行くいくつもの口付けが、何故か今までと違ってとても甘い気がして…。 すごくドキドキする。 「あ、ねえ…っ、むひょ…っ!」 得体の知れぬ焦りを感じ、上擦った声で呼んでみれば、ムヒョはキスをやめて顔を上げた。 「何だ?」 「あの、な、何かね…、何か…っ」 「あ?何か何ダ?」 「何か、変なの!」 ワケの分からぬまま、真っ赤に顔を染めてそう叫ぶ。 「…変?」 あまり穏当ではないようなその言葉に、当然のことながらムヒョは眉を顰めて何とも怪訝な顔をした。 「だ、だってぇ…何か、今までと違う気が…」 「何が…?」 「それは…分かんないけど…!でも…何か…」 何かが違うのだと、訴えるロージー。 ムヒョはフンッと鼻で笑った。 「分からねェなら、考えるこたねェ」 「で、でもぉ…」 「イヤじゃねーんダロ?なら、ただ感じてりゃいい」 最初に言ったロ?と…。 「あっ、でもでも…っっ!」 きゅっと胸の尖りを摘まれ、ロージーは声を飲み込む。 そのまま、揉んだり弾いたりと刺激を与えれば、ビクビクと身体が跳ねた。 「んんっ、ぁ…あ…っ」 降りてきた唇が、もう片方の尖りを口に含む。 舌先で転がし軽く歯を立て、柔らかに吸ってやれば、それだけでもう堪らないとばかりに、左右に振られる金の頭。 腹に当たる下腹が、熱を持ち主張し出すのにク…と笑って…。 ムヒョはまた、唇を下へ下へと降ろしていった。 柔らかな腹に、一つ、二つ、紅い痕を残し、その下…。 緩く勃ち上がったモノに指を絡め、きゅっと力を込める。 「あ、ぁあっ」 「まだイクなよ?」 困ったように笑いながら、ムヒョは手にしたロージーをペロリと舐めた。 「ぁあっ!やっ、やぁ…あ、ん…っ、ぁあっ」 そのまま先端まで舐め上げ、ちゅっと吸い上げれば、すすり泣きは大きくなって…。 きゅうっと太股に力が入る。 「感度、いいナ…」 小さな呟き。 息と、唇が当たる微かな感触すら、堪らない刺激で…。 「やあっ、しゃ、しゃべ…っ、ない…で…ぇっ」 「そんなイイのか?」 意地悪な言葉に目を開ければ、溜まっていた涙が溢れた。 「ん、ンん…ぅ…」 軽く当たる歯の感触。 包み込むような口内。 ひたひたと触れる舌に、気が狂いそうな程の快感を感じる。 「あ…、あ…っ、イ…ッちゃぅよぉ…、も…むひょ…ぉ…」 ブルルと背を震わせ、ロージーは懇願するかのようにか弱い声を上げた。 口の中、限界に近く質量を増したもの。 真っ赤な頬に影を落とす長い睫毛。 時折薄く開く瞳には、何も映ってはいないのだろう。 だが、その陶然とした表情がまた、ムヒョの内の欲望を掻き立てて止まぬから…。 高く上がった声と同時、吐き出された熱いモノを、一滴残らず飲み干して…。 「……オメェは…オレのモンだ…」 何処か満足そうに、ムヒョはそっと呟いた。
+ 続く + 6を読む +
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プランツといい、こっちといいエロ場面続きでスミマセン(爆)
ロジに何か言って、赤面するようなムヒョって出てこないもんかなーとか思いつつ(原作でね) 「チッ!」とか、しかめっ面とか止まりですね。 ムヒョが慌てるとか自体、ほとんどナイもんな…(vsトーマス後、左近の車で吐きそうになった時くらい?) まーだからこそ、僅かな違いや間を深読み深読みする楽しさがあるわけですが♪ わたくし、ムヒョの顔が大好きなのですvv いや、あのオットコマエな性格とか口調とかも、勿論だーい好きvvではありますが、やっぱ、何はなくとも顔らしい。 原作読んでて、ムヒョのアップのコマで視線がずーっと止まってることに気付くこととか、しばしばです。
って、内容に関係ないなぁ…(苦笑) えー、今回は…。 ムヒョのどぎまぎと、親友二人の悪ノリなアドバイスを考えてるのが、ものすご楽しかったです♪(爆)
次回はエロ続き…をすっ飛ばして、ロジの気持ちの方を書きたいかなとか思います。はい。 またおつきあい頂けたら嬉しいです〜☆
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2006/11/01(水)/11:25:49
No.37
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