【HAPPY BIRTHDAY FOR PAGE☆】


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ニセモノ&イロモノ多発ですが、大目に見てやって下さいませ〜(爆)
HAPPY BIRTHDAY FOR PAGE☆  
 
 


「おはようございます、ペイジさん」

目を覚ませば、ニコニコの笑顔が覗き込んでいた。
太陽のように明るく、優しい笑顔…。
フワフワの金髪が陽の光を受けてキラキラしている。
身につけたフリル付きの白いエプロン。
それに一瞬だけ、おや?と思ったものの、そういえば遊びに来てるんだっけと思い出して…。
「…やあ、おはよう、ロージー君…」
ペイジはニッコリと笑うとベッドの上に身を起こした。
ロージーの開けた窓から、爽やかな風と新緑の香りが室内に流れ込む。
「今日も、とってもいいお天気ですよ☆」
「そうだねぇ」
5月特有の穏やかな気候よりも、ロージーの雰囲気の方に和やかな気持ちになり、ペイジはニコニコと微笑みながら頷いた。
「ムヒョはもう起きたのかい?」
「はい、今支度してます。朝ご飯出来てますから、ペイジさんも早く来て下さいね」
「ああ、わかった」
直ぐに行くよ、という返事にニコッと笑ってロージーは部屋から出て行く。
遠ざかって行くパタパタという軽い足音。

うーん、いいねぇ。
ロージー君一人居るだけで、家の中が明るくなるよねぇ。
ムヒョは本当にいいお嫁さんを貰ったものだ♪

顔を洗い、着替えをしていれば、小さな…けれど元気の良い足音が近付いてくるのが聞こえて…。
ペイジは顔に浮かぶ笑みを深くした。
ロージーのものでも、ムヒョのモノでもないその足音…。
それは廊下を走って来ると、この部屋のドアを開け、そのまま室内に入り込んで…。

「じいじ!」

そして、ペイジを見つけると大きな声でそう叫ぶ。
元気いっぱいのキラキラした笑顔…。
父親譲りの黒髪と青い瞳。
母親譲りの明るさと人懐こさ。
そう…それは、先日3歳になったばかりのムヒョとロージーの子供…。
「じいじ!おはよーごじゃーます!」
その子はペイジに駆け寄ると、ぴょこんとお辞儀をする。
「やあ、おはよう、今日も元気いっぱいだねぇ」
「うん!ボク元気いっぱいだよ!じいじも元気いっぱい?」
「ああ、勿論だとも。魔法律家は健康が一番だからね☆」
「まほーりちゅか!ボクもまほーりちゅかなるの〜!そしたら、ぱぱとままと、じいじと、みんな同じだもんねっ!」
「そうかそうか、魔法律家になるのか、そりゃすごい」
「えへへ♪ねえ、じいじ、抱っこしてぇ♪」
両手を上げてねだるその様子があまりにも可愛らしくて、ついデレデレとしてしまいながら、ペイジは子供を抱き上げた。


☆  ☆  ☆


「…オイ。先に行って準備するとか張り切ってなかったか?何で主役がまだ寝てンだヨ?」

不機嫌そうに眉根を寄せ、唇を尖らせたムヒョに、ロージーは困ったような顔を向けた。
目の前にはペイジのベッドがある。
ここはペイジの家であり、しかもペイジの寝室なのだ。
しかし、客人(?)二人を前に、この部屋の主は現在、何とも幸せそうな顔で熟睡中……。
「うん…それがねぇ、ムヒョ。何かね、ヨイチさんからのプレゼントなんだって」
「あ?何がダ?」
「夢だって言ってたよ?ビコさんに頼んで、望み通りの夢が見れる薬を作って貰ったとか…って」
「ソレを今見てるってのか?」
「うん、そうみたい…。だから、起こせなくてどうしようって思ってるんだけど…」
お掃除も終わったし、お料理もあらかた準備できたんだけど…と、呟くロージー。
ロージーは今朝早く、この家に一人で乗り込んでいたのだ。
それもこれも、全てはペイジの為…。

今日が誕生日のペイジを祝うパーティをする為に……。

「チッ、あのバカ…んなプレゼントを当日の朝から使うって、あり得ねェだろ…」
「あはは。でも、何かね、事故だったみたいだよ?」
鍵貰った時にちょっとだけ聞いたんだけど、と…。
「何にしてもアホだナ」
説明しようとしたロージーの言葉を遮り、ムヒョは一言で切り捨てた。
「…それにしても…じーさん、どんな夢見てるってんだ?」
老人と呼んでももはや差し支えないこの伝説の執行人は、何とも幸せそうな顔で長閑に眠り続けている。
「望み通りの夢ってゆってたけど…内容までは…。でも、すごく嬉しそうだねぇ」
「………」
本当に。
本当に幸せそうに、嬉しそうに…。
これでは起こすわけにもいかないと、ヤレヤレな気分になって…。
「チッ、しゃーねぇナ…、目ェ覚めるまで待つしかねェか…」
ムヒョは溜息混じりに呟いた。


☆  ☆  ☆


「…目が覚めた時…混乱しないかな…ペイジさん……」
ペイジの目覚めを待つ事にしたムヒョ達が、寝室から出て行くのを見送って…。
窓の外、2つの人影が動いた。
それは今回の事態を招いた張本人の2人…。
「あー、するだろうな…」
「大体、いいの?叶わない夢なんて…プレゼントにしちゃちょっと残酷なんじゃない?」
咎めるようなビコの視線に、ヨイチは肩を竦めた。

「だってさぁ、仕方ねぇじゃん?ペイジ部長の欲しいものって、ムヒョの子供だぜ?その子に魔法律教えるのが夢だったとかゆーんだもん」

「…まあ…、それは…確かに夢じゃないと……だね…」
「だろ?つか…、目ェ覚めた後、ペイジ本部長がロージーの性別チェックしそうだよな…」
「ヨイチってば……知らないよ、ボク?」
ちょっと楽しみじゃねぇ?なんて笑うヨイチに、ビコは深々と溜息を付くのだった。



+++++++++++++++++++++++++

とゆことで。
先日のオンリで配布したBD用のSS。

ペイジさんの夢、こんなんありそうだなぁ…って思いまして。
SSではなくて真面目に書いたら、結構面白そうな話だったんじゃないかなと思いつつ。。。
ロジの時はこれを受けての話にしようかな……。

 2006/05/25(木)/01:08:24  No.19



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