【二人に帰ろう …ロジサイド】


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ニセモノ&イロモノ多発ですが、大目に見てやって下さいませ〜(爆)
二人に帰ろう   …ロジサイド  






ずっとずっと、気づけなくて、ごめんなさい。

ずっとずっと、待っててくれて、ありがとう。




静かになった部屋の中。
毛布にくるまり、小さくなって。
ロージーはスグ側で眠っているムヒョに心の中で呟いた。
ソファの上の小さな膨らみは、僅かに…それでいて規則正しく上下している。
寝たのかなと思えば、ひそりと笑みが浮かんだ。

同じ空間で、ムヒョが寝ている。
スグ側に、ムヒョが居る。

この2年、ずっと当たり前だったこと。

それが改めて…嬉しい…。




ムヒョに『無期限の休暇』を言い渡されてから、ロージーはずっと考えていた。

いろいろな事を取り留めもなく…。
クビになりたくなくて、ムヒョの側に戻りたくて、一生懸命に。
だが、何がいけないのか、何を分かっていないのかと、考えても考えても、結局は自分が何も出来ないからだと…そこで止まってしまって。

ムヒョがボクに望んでる事って何だろう…?
ムヒョはどうして何も教えてくれないんだろう…?
どうして欲しいとか言ってくれたら……ボクはそうなれるように頑張るのに……。
ムヒョは何も言わないから…ボクは全然分からない…。
こんなに分かりたいって思ってるのに……。

ずっと、そんな事ばかり思っていた。

ムヒョの望む通りの自分になりたいと……。
ムヒョの言った通りの事を『よくやった』と褒めて欲しくて…。
認めて欲しくて…。
ずっと側にいさせて欲しくて…。

自分には何があるのか、何が出来るのか、何をしようと思うのか…。
根本的なことを何一つ考えず、ただ『ムヒョが望む自分』を考えて……。
でも分からなくて…。

あのタイミングで検定が行われたことは、本当に運が良かったと言っていいだろう。

選抜メンバーに選ばれ、ムヒョの師であるペイジに煉の量が人よりも多いのだと言われて、ロージーは本当に驚いたのだ。
自分の中に人より優れた力があるなんて、今まで思いもしなかったから…。
自分にも何か出来るのかも知れない、そう思えた事が嬉しかった。

そしてエビスの言葉で、ムヒョの隣にいたいと望んでいながら、本当は隣にいなかった自分に気付かされて…。

それによって…もっとずっと…いろいろな事に気付かされたのだ。

何も出来ないのではなく、何もしようとしていなかった自分、とか…。

ムヒョの事も、いろいろ…。

ムヒョはいつだって自分を見ていてくれた。
日常でも、戦闘時でも、どんな時も必ず…。
あれこれと教えようとしないのは、ロージーが自分で判断し、行動出来るように見守っていてくれたのだ。
ロージーが術に失敗し続けていた時も、その事に対して酷く怒ったりはしなかった。
何故ダメなのか分からないか?と尋ねただけ。
魔監獄なんて闘いの場で…。
そんな悠長なことを言っていられる場合ではなかったというのに、それでも、ムヒョは過程を捨てて成果だけを得るようなことはしなかった。

それはつまり、ロージーは『時間がかかっても、自分で気付く事が出来る』とムヒョが信じてくれているという事…。

『ま、その内分かんだロ』

そんな声が聞こえてきそうな気さえする。
何事も常人離れしたムヒョの事だから、きっと、ロージーが人よりも多い煉を持っている事等とっくに知っていて…。
そして、魔法律家としての成長を信じてくれているのだろう。
だから、待っていてくれたのだ。

ずっと、ムヒョのことを考えている気でいた。
ムヒョのことばかり考えて、いつも見ている気でいた。
気持ちを、思考を、分かりたい分かりたいと願って…それなのに分からないのだと思っていた。

でも、それは…分かりやすい部分だけを。
見たいと思う部分だけを。
自分に都合の良い事だけを。
見ようとしていたから。
分かろうとしていたから。

本当はただ、目に見えたそのまま、心に感じたそのままを受け入れればいいだけのことだったのに…それが出来ていなかった。

そして、ムヒョの方がずっとちゃんと自分を見ていてくれたのだ。

「エヘヘ…♪」
そう思えば、何とも幸せな気持ちになって…どうしても笑ってしまう。

ごめんね…。
ありがとう。
これからはちゃんと見てるよ…。
ムヒョのこと。

戻れて良かったなぁとシミジミ思い、ロージーは幸せな溜息を付いた。
今日からまたムヒョの隣にいていいのだ。
それがもう、ただただ嬉しい。
はなればなれの10日間の何と長かったことか…と思って…。

もう絶対に離れない。

強くそう思う。

これからずっと、ずっと一緒にいるのだ。
そして…いつかきっと、あの時のエビスのように…誰よりもムヒョを解っていると、胸を張って言えるようになる。
きっとなる!と…そう心に誓って…。

「……また明日ね、ムヒョ…」

聞こえる寝息にそっと呟き、ロージーは目を瞑った。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ちょっと…ムヒョさんの上げたのいつよ…(汗)みたいな感じなのですが(3月ですってよ…;;;)使ってないファイルを覗いたら、書きかけのコレがあったので手直ししてアップすることにしました☆

ああ、ホントにねぇ…ロジってムヒョのこと好き過ぎだよね。
んでさ、そんなロジの思いを凌ぐ程な感じで、ムヒョさんもロジのこと好きなんだよね。
何だこの二人♪♪♪
…と、ウヒウヒしてたら、またタイムアップだ…!(爆) ←終業

早くジャンプ買って帰らなくちゃ!!!!!(笑)
 2006/06/26(月)/17:31:49  No.25



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